押忍マン「押忍マン vs NEZUMI」

押忍マン vs NEZUMI

押忍マン vs NEZUMI

大分出身のラッパーによる、1年半ぶり「1.5作目」。


今作はアルバム表題通り、福岡のトラックメイカー NEZUMI とのがっぷり四つのコラボレーション。すでに気心知れた間柄なのでしょう、ラップとトラック双方の旨味が密接に絡み合い、企画アルバムでありながら押忍マンの持つ魅力を十分に伝える内容となっています。レゲエ/ラテンフレイヴァーを加味した土臭いビート、そこに乗る押忍マンのラップは丸みを帯びつつ抜けの良い声質で、グッとタメの効いたフロウはレイドバック気味のトラックとも非常に相性が良く、リリックの一言一句を聴き手へ的確にヒットさせる。耳馴染みの良さと押韻の固さ、そこからくっきりと浮かび上がる実直さが印象的。歌詞の内容は押忍マンが生活の中で感じる喜怒哀楽、過去/現在/未来への思い、内なる熱さを飾らずにそのまま伝える、彼の生き様がリアルに滲み出たもの。大志を抱いたパッションは確かなラップスキルにより説得力バチバチのエンターテインメントへと昇華されています。例えば田我流なんかにも通じるところが大きいアティテュード。「無いものねだり」や「BAD DAYS」などはもはやヒップホップ通り越して男のブルーズ。ひとまず今日も一杯やろうか。

Rating: 8.0/10



【MV】Walk this way [4k] / 押忍マン