The Dillinger Escape Plan「Dissociation」

DISSOCIATION

DISSOCIATION

ニュージャージー出身の5人組による、約3年半ぶり6作目。


今までに輪をかけてグチャグチャ。人力の限界に挑戦するカオティックメタルコア、そこに Mike Patton 譲りの捻じれたポップセンスをブチ込むという基本は継続。さらに今回は「Fugue」でのグリッチ/ドリルンベース、「Low Feels Blvd」のジャズ/フュージョン、「Nothing to Forget」の悲壮感に満ちたストリングスなど、様々な音楽要素を追加して混ぜ合わせ、まるっきり何処へ向かうか分からない闇鍋の様相を呈しています。頭のネジがすっ飛んだように喚き散らすハイスピードな激しさから、奥行きのある音像でミステリアスな妖しさを醸し出す場面へ、その場面転換はほとんど力技で行われ、彼らの持つ攻撃性、叙情性、変態性が複雑に絡み合って一本の歪な大木と化してる。ヴォーカルの Greg Puciato は今回のリリースツアー終了後にバンド解散を公言しています。果たしてそれが何処まで本当なのかは疑わしいところですが、彼のソロワーク The Black Queen でのメロディアスな方向性が今作の終盤にも生かされているのを見ると、現在の彼の嗜好が DEP の枠内には収まりきらなくなってるのかな、とも思います。何にせよ、カオティックの名には偽りなし。

Rating: 7.3/10



The Dillinger Escape Plan - Limerent Death (Official Audio)