CQ「Communication, Cultural, Curiosity Quotient」

Communication,Cultural,Curiosity Quotient

Communication,Cultural,Curiosity Quotient

2014年結成の5人組によるデビュー作。


メンバー5人中3人が東京酒吐座、そしてヴォーカルは元 honeydip という経歴からも明らかなように、分厚く複雑に歪んだギターサウンドが空間一杯に渦巻くシューゲイザーサウンド。しかしながら単なるリバイバルには終わらず、オープナー「Disco Crimson」では表題通りの人力ディスコビートが快活な疾走感を見せたり、「Primal」では半分メタルにも足を突っ込んだ硬質なアグレッションが顔を出すなど、音のニュアンスを曲毎に少しずつ変えて緩急の流れを生み出しています。そして全体的に音圧が強く、ハイファイに洗練されてるのが特徴的。ノスタルジックで淡く滲んだ音作りに向かいがちなシューゲイザー勢の中で、彼らが目指すのは爆発的なノイズの放つタフな力強さ、微睡みではなくギチギチと鼓膜を締め上げられるような強烈な覚醒作用。言わば Swervedriver や Chapterhouse 寄りのフレッシュかつダーティな感触と言うか。やはり笹渕啓史のドラミングはダイナミックで芯が太く、そこに合わせようとすると浮遊感などよりも攻撃性の方が前面に出てくるのですね。そんな彼らの特異さが最も際立っているのがラスト「Discord」。こいつはエゲツない。

Rating: 7.4/10



CQ - Primal (2016.9.28 高音質 Mastered for iTunesにて先行配信)