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約1年ぶりのリリースとなる、初のフルアルバム。


過去の2枚のミニアルバムからの再録が各4曲と、新曲が3曲。こうして1枚のフルレンスに並べられると一層際立つのが、藤井麻輝森岡賢はいつまでも水と油、光と影の対照的な存在であったということ。この作品は前半と後半で様相がガラリと異なります。前半は硬くシャープに研磨されたビートが突き刺さる、インダストリアル経由のダークなエレクトロニカ。後半は EDM やブロステップの即効性快楽が派手に弾けたアッパーダンスチューン。いずれの楽曲も藤井麻輝の手によって微調整が施され、身体に響くビートの心地良さという点は一貫しています。逆に言えば共通点はそこくらいではなかろうか、というほどの2人の方向性の違いには思わず笑いすら零れてしまう。思えば SOFT BALLET 時代から彼らはお互いにやりたい放題で、ひとつのバンドの振れ幅としてはかなり際どいバランスを保持していました。そんな両極端な色味のコントラストがここではより明確に表れており、その明と暗は冒頭の「The Victim」、最後の「B612」という儚くメロディアスな楽曲どうしで繋がれ、ひとつのメビウスの輪を形成しています。確かにこれは「2人」の作品。

Rating: 8.0/10



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