Pissed Jeans「Why Love Now」

- アーティスト: PISSED JEANS
- 出版社/メーカー: SUB POP
- 発売日: 2017/05/24
- メディア: CD
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今作のプロデュースを務めるのが Lydia Lunch 御大。その影響が強く出たのか、これまではパンク/ハードコア成分の強かった彼らが、今回はノイズ/ジャンクロック方面へと舵を取り、ますます粗野で不気味なサウンドへと変貌しています。ギチギチに引き締まったベースが強い存在感を発揮し、アップテンポな曲では Motörhead の遺伝子を引き継いでいるように聴こえなくもないですが、何せ音自体の躍動感を打ち消す勢いで変態的なアイディアのインパクト、キナ臭い悪意的ムードの方が上回っているものだから、聴いてるこちらも白熱的な興奮というより怖いもの見たさのような感覚が強くなってくる。腹の底からの呻き声が何処かマゾヒスティックな恍惚のようにも映る「Waiting on My Horrible Warning」に始まり、何故か不意にギターフレーズから哀愁の色味を醸し出す「Love Without Emotion」、トライバルなドラムに乗せて女声の下劣な独白が垂れ流される「I'm a Man」、ドゥーム/スラッジばりのヘヴィネスの引き摺り倒しっぷりに脳が揺れる「Activia」など、気色悪いニタニタ笑いを浮かべながら迫る毒気満載の11曲。The Jesus Lezard や Helmet なんかが好きな方へ。
Rating: 7.5/10