9mm Parabellum Bullet「BABEL」

約1年ぶりとなる7作目。


ギタリスト滝善充のジストニアによるライブ活動離脱。その逆境を精神力で凌駕すると言わんばかりの、全編滝による作曲で占められた10曲。しかもそのいずれにおいても、下手するとこれまで以上にアグレッシブに弾きまくりで、多少の緩急はあるにしても随分とラウドに偏ったイメージがある。メンバー全員が曲を書き、15曲の大ボリュームで起伏に富んだ流れを作っていた前作「Waltz on Life Line」とは綺麗に対照的な作品となりました。今回特に目立つのは高速ブラストビートやツーバスの効果的な挿入。以前よりも明確にメタルコアを意識したアレンジで、瞬間的にピーク値までテンションが沸騰する、そのエクストリームな激しさが作品中の至る所で強いインパクトを放っています。そして前作でも印象的だった3拍子。直線的な3拍子というのはつんのめるような勢いと奇妙なうねりを併せ持った、単純なようでいて複雑なグルーヴを生み出すもので、今作でもその変化球は「Story of Glory」「それから」で発揮されています。というか 9mm のアルバムの締めは激しさに特化した楽曲というのが定番だけれど、「それから」のネジの外れ方はちょっと凄い。彼らなりの狂気。

Rating: 7.5/10



9mm Parabellum Bullet - ガラスの街のアリス