神聖かまってちゃん 「幼さを入院させて」

1年2ヶ月ぶりとなる8作目。


アルバム表題は実に彼ららしい、言い得て妙な表現ですね。「幼さ」はおそらく「純粋」、あるいは「自分らしさ」とも言い換えられるものかと思うのですが、きっと誰しもの心に大なり小なり存在し、決して完全には切り離すことの出来ないもの。人が人として成長するには幼さを無理矢理押し殺すばかりではなく、時にはひっそり安静にさせてあげることが必要なのだと。今回のアルバムに収められているのはそういった成長のためのリハビリを兼ねたような、の子の内面のポジティブもネガティブも生々しく吐き出された、ある種ドキュメンタリーの様相を呈した内容。つまりは良くも悪くも変わってないとも言えますが、独自のエフェクト加工で性別や年齢を超えたヴォーカルがクワイアのように広がる「イマドキの子」、自己嫌悪がヘドロのごとく溢れ出た「まいちゃん全部ゆめ」、ノスタルジックな青春の光に彩られた「陸上部の夏」など、まさにの子ならではと言えるエモーショナルな楽曲群は聴き手にギリギリと爪痕をつけてくる。なおかつ今まで以上にオープンで明瞭なメロディの数々は、彼らがいまだ挑戦的な前傾の姿勢であることを示していると思います。

Rating: 7.8/10



神聖かまってちゃん『イマドキの子』MUSIC VIDEO