eastern youth 「SONGentoJIYU」

SONGentoJIYU

SONGentoJIYU

約2年半ぶりとなる17作目。


音の向こうに朝焼けのような、淡くぼやけた大きな光が見える。前作「ボトムオブザワールド」は楽曲によってアップ/ミドル/スロウの役割がきっちりと分けられた作品でしたが、今作は多少の BPM の揺れはあるものの、基本的には頭からケツまでずっと突っ走り続けています。カリッカリに乾いたディストーションに、時には堰を切って暴発したノイズを絡ませながら、いつものように全身全霊を注ぐ勢いで絶唱するイースタン流のエモ/ハードコア。その中には新加入したベーシスト村岡ゆかによる朗らかな女声コーラスもフィーチャーされ、今までより丸みを帯びた暖かみを感じる場面が多いかもしれません。特に「ちっぽけだって、なんだっていいから、歌を俺にくれ」での不意を突いて挿入される郷愁や、「旅の空」での賑やかさなどは今のイースタンだからこそ生まれ得るものでしょう。そういった新鮮な一面をアピールしつつ、本来の泥臭さはやっぱり変わらないまま。それしか出来ない、それ以外に興味はないと言わんばかりの直線的な楽曲群は、何が何でも光を掴んでやるという気迫、血と汗と涙に塗れた人間味を常に実感させてくれる。ここが第2章の始まり。

Rating: 8.2/10



eastern youth「ソンゲントジユウ」 ミュージックビデオ