8otto 「Dawn On」

Dawn On

Dawn On

大阪出身の4人組による、約6年半ぶり5作目。


彼らの曲を聴く時にはいつも、地下のクラブで静かに燻らす紫煙のような、果ての無い荒野に佇んで眺める地平線のような、ともかくそういった男のロマンが音に凝縮されているように感じるのですね。基本的には今作もこれまでと変わらず、ファンクあるいは Gang of Four などポストパンクの鋭角ダンスグルーヴを通過したガレージ・ロックンロール。ただプライベート含めた活動スタイルの見直しが功を奏したのか、どの曲でもフックとなるアイディアが生き、渋味あるメロディが生き、フィジカルで芯の太い演奏が生きています。何処となく The Rapture を彷彿とさせるアーバンなディスコパンク「SRKEEN」、さながら NirvanaWeezer で割ったような「Romance」、華やかかつ野蛮なホーンの鳴りに驚かされる「It's All Right」、Peter Hook へのオマージュを挟みつつ感傷的なポップネスにグッとくる「Mr. David」など、モノトーンのようで多彩な楽曲群は彼らのキャリアハイを誇らしく示しています。デビュー以降追求してきたロックンロールの即効的な快楽、シンプルな中に覗かせる荒くれた魅力を真っ当にアップデートして見せた快作です。

Rating: 8.4/10



8otto - 赤と黒 [Music Video]