King Gnu 「Tokyo Rendez-Vous」
- アーティスト: King Gnu
- 出版社/メーカー: PERIMETRON
- 発売日: 2017/10/25
- メディア: CD
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バンドの中心人物である常田大希は東京藝術大学出身とのことで、まあ芸大出身ミュージシャンにもピンからキリまでいるとは思いますが、彼らのようにあからさまなまでにアカデミズムを感じさせる例はかえって少数派なのではという気がします。ファンクやヒップホップ由来の人力グルーヴを下敷きに、時にはジャジーな洗練に向かい、時にはフリーキーなシンセ音を突っ込んでアヴァンポップとしての要素をアピール。個人的にはその音像から Beck や Gorillaz 、国内だと APOGEE なんかを思い出したのですが、それらと決定的に違う点は良くも悪くもなヴォーカルの個性の濃さ。ファルセットによる流麗さから粗雑な巻き舌まで、サウンドと同様に表情をクルクルと切り替えて見せる様は演劇的とも言えるもので、したたかな傾奇者であろうとするそのスタイルは昨今のインディバンド勢の中では明らかに浮いたもの。その奇矯さはややトゥーマッチに感じる部分もあるのですが、ある意味若手らしい初期衝動的な野心がはっきり表れているし、毒にも薬にもならないよりはこれくらいカマしてやった方が丁度良いだろうと。このさき大器となりそうな予感がひしひし。
Rating: 7.3/10