Morrissey 「Low in High School」

LOW IN HIGH SCHOOL

LOW IN HIGH SCHOOL

3年4ヶ月ぶりとなる11作目。


いよいよもってご立腹のモリッシー御大。アルバム表題を見た時は The Smiths 時代のような思春期モラトリアム色の強い内容になるかと思いましたが、実際にはジャケットに堂々と掲げられた「君主制をたたっ斬れ」のプラカードに象徴されるように、極めてポリティカルな内容となっています。オープナー「My Love, I'd Do Anything for You」の冒頭から「全てのプロパガンダを軽蔑するよう子供たちに教育しろ」と綴り、ブレグジットを真っ向から批判した「Jacky's Only Happy When She's Up on the Stage」、US を脅威的な侵略者と見做した「The Girl from Tel-Aviv Who Wouldn't Kneel」、その他にも辛辣極まりない政治的メッセージがオルタナティブロック、ジャズ、ラテン、果ては「I Bury the Living」ではプログレッシブな要素まで突っ込むなどの多彩な楽曲群の上で突き付けられているわけです。今現在のモリッシーのパブリックイメージが良くも悪くもそのまま反映されており、この強気な姿勢にはかつてのファンも思うさま篩にかけられていくかと思います。その姿は頼もしくもあり、何処か頑固親父の歪さもありで、根っからのファンほど複雑な心境になるのでは。

Rating: 6.7/10



Morrissey - Spent the Day in Bed (Official Video)