Franz Ferdinand 「Always Ascending」

ALWAYS ASCENDING

ALWAYS ASCENDING

4年半ぶりとなる5作目。


ここ数年の間にメンバーチェンジが勃発し、キーボーディストを含む5人編成となった彼ら。スペーシーな広がりを見せる表題曲「Always Ascending」を筆頭に、確かにシンセ類の比重が増加してエレクトロニックな感触が強くなり、バランスの変化を感じさせる部分はあります。ただそれは現在のポップ隆盛の音楽シーンに対応した変化というよりも、フランツというバンドが何者であるかを新メンバーが十分に把握しており、その上でニューウェーブあるいはディスコ/ファンク的な要素を加味してセッションを楽しんでいるという、つまるところ気心知れた仲間たちで好きなようにやっているという感じ。実際に楽曲の方は少しばかり毛色の違った意匠を凝らしながらも、基本にあるのは従来のフランツらしい味を感じさせる、洒脱でクールで愛らしいダンスナンバー。表題曲の他だと変拍子で進行しつつ強烈なフックの効いた「Lazy Boy」、特に80年代フレイヴァーの強い哀愁が目一杯に広がる「Glimpse of Love」、後半で切り込むサックスが刹那的な情熱を撒き散らす「Feel the Love Go」あたりが目玉でしょうか。総じてマイペースに我が道を行くフランツなのでした。

Rating: 7.2/10



Franz Ferdinand - Always Ascending (Official Video)