Belle and Sebastian 「How to Solve Our Human Problems, Pts. 1-3」

昨年12月から連続リリースされていた EP 三部作を纏めた編集盤。


全15曲69分。これを正規のフルレンスではなく3枚の EP に分割した意図は少々掴みづらいのですが、こうして1枚に纏められた収録曲をざっと眺めてみると、例えばかつての The Smiths の編集盤のように、もしかするとオリジナル作以上かとも思えるほどにバンドの本質を浮き彫りにしています。基本はやはり、従来の彼らの強みである素朴で切ないメロディを活かした上質インディポップの応酬。そもそもがフルレンスとしての全体の流れというものを意識していないだけに、楽曲それぞれが個別の役割を持ってはっきりと粒立ち、独立したまま一枚の盤に共存しているような、それこそシングルコレクション的な充実した中身の分厚さ。その中にはまさかのベルセバドラムンベースかと少し驚かされる「We Were Beautiful」、彼らにしては随分と力強くアップリフティングな「Show Me the Sun」、彼らの近作での試みからそのまま地続きと言える70年代ディスコ風意匠の「Poor Boy」といったアクセントもあり、彼らがこれまでに見せてきた音楽性の総ざらい、なおかつそこからほんの少し踏み出した部分もあり、総じてベルセバの愛らしい魅力を十分に堪能できる好盤です。

Rating: 7.7/10



Belle and Sebastian - We Were Beautiful