Eins:Vier 「Searching Red Light」

Self Cover Best 2018 Searching Red Light

Self Cover Best 2018 Searching Red Light

約20年ぶりのリリースとなるセルフカヴァーアルバム。


自分が物心ついた時にはすでに Eins:Vier は解散しており、きちんと彼らに対峙したのはそれから長い時間が経っての、2011年の V-ROCK FESTIVAL が最初でした。The SmithsThe Cure などの影響を感じさせるクリーントーンを基調としたシンプルなアンサンブルは、モダンなヘヴィロックが主流となった昨今のV系シーンと比較すると良くも悪くもかなり線が細く、ベテランでありながらイベントの中では逆に異質の存在として映っていました。しかしながらその音の裏側には昔ながらの職人気質にも似た味わい深さがあり、また身体を強く絞るようにして歌う Hirofumi のヴォーカルは実直という言葉そのもののようで、当時のオーディエンスに対して確実に爪痕を残していたかと思います。それからまた休止期間を置き、いよいよの本格再始動一発目となる本作では大きなリアレンジを施すことはせず、現代的な張りのあるプロダクションと元テイクよりは幾分か力の抜けた歌声による、至って真っ当なおさらいといったところ。ダビングは最小限、目新しさは無し、その飾り気の無さもある意味実に彼ららしい。変わらないことがこうも美しいものなのかと。

Rating: 7.0/10



Eins:Vier Tour2018 "Searching For You" × Self Cover Best "Searching Red Light" SPOT