The Messthetics 「The Messthetics」

MESSTHETICS

MESSTHETICS

Joe Lally 、Brendan Canty (Fugazi) を擁する3人組のデビュー作。


Fugazi において Joe & Brendan のリズムセクションが重要な役割を担っているのと同様に、この新バンドでも彼らの力量は十分に発揮されています。決して派手なプレイをしているわけではない、しかしながら贅肉を削いで太い芯のみを残した音の鳴りは的確に身体にヒットし、直線的なスピード感と変拍子のうねりを備えたグルーヴ、またスロウな楽曲でも音の隙間にひっそりと緊張感を漂わせて聴き手を引き込む、その理知的かつ肉体的な演奏はポストハードコア代表たる彼らならではのもの。そこに対峙する Anthony Pirog のギターは、やはり他メンバーと価値観を共有するように無駄を省き、過度にヘヴィだったりメロディアスだったりには向かわず、在るべき音色と在るべき手数、飾り気のない生々しいサウンドで勝負。それでも単調には陥らず、硬軟のメリハリのついたアルバム構成、互いの音に食らいつくようにして展開されるセッションのダイナミズムにより、ストイックなようで意外なほどに幅の広さを感じます。特にアコギとストリングスを用いた終曲「The Weaver」の叙情性には唸らされた。これがベテランの意地というやつか。

Rating: 7.3/10



The Messthetics - "Serpent Tongue" (Dischord Records)