LEO今井 「VLP」

VLP

VLP

東京出身のシンガーソングライターによる、約5年ぶり5作目。


自分が LEO 今井のソロ作品を聴くのは今回が初めてでして、彼がメンバーとして関わっていた KIMONOS や METAFIVE のイメージが頭にあったため、てっきりエレクトロニックなオルタナティブ R&B 路線なのかと想像していたら完全に裏切られました。がっつりロックンロール、ハードロックです。どっしりと腰を据えて一打一打を身体に響かせるリズム隊、ブルースの枯れた渋味を多く含んだラウドギター、そこから生まれるふくよかでファンキーなグルーヴ感を巧みに乗りこなす LEO 今井のソウルフルヴォイス。そこには豪胆な野性味溢れるエモーション、60~70年代へのレトロスペクティブな憧憬がありつつ、要所要所で挟まれるシンセ類が良い意味での違和感を絶妙に生み出し、アグレッシブな中にもしたたかな知性を感じさせる。「Bite」や「New Roses」には即座に首根っこを持って行かれる勢いの熱量を感じるし、マッチョなファンクネスの中に挟まれるユーモアにそこはかとなく向井秀徳イズムを感じる「Sarigenai」も強烈な一曲。ソロ名義でありながらパーマネントなバンド編成によるダイナミズムをフルに活かした、彼なりの全身全霊と言える力強い一発です。

Rating: 8.7/10



LEO IMAI - New Roses (Studio Live Version)