sads 「FALLING」

約8年ぶりとなる7作目。


奇しくもこの記事を投稿した本日10月30日は、清春の50歳の誕生日です。今年一杯で活動を停止するサッズに対して、清春はいつもの身も蓋もないほどに飾らない言葉で、現時点での思いをインタビューで語っていました。曰く、50を迎える自身がやるべきことはソロワークであり、バンドとしてやれることはもうやり切ったと。確かにここ数年の清春は特にアコースティック・スタイルへ力を注いでおり、彼のヴォーカルの魅力を際立たせつつ、さらに深い渋味のある表現へと移行していました。今やバンドは自分にとって挑戦的なことではない、そう言い切った彼にとってこのラスト作は、せめて綺麗な幕引きを飾ろうというある種のけじめなのかなと思います。現サッズならではの逞しいヘヴィネスに、以前よりもいくらか音圧の強まったシンセ類。ただアグレッシブな速度ではなく、メロディの憂いを中心としたミディアム曲が多く並んでおり、ヘヴィロックに今の清春が目一杯寄せられるとしたらここ、という塩梅。鮮烈なダンスナンバー「smily sadly」などを聴くと、まだバンドにも伸び代は残っているのではという一抹の寂しさも浮かびますが、引き際は大事ですからね。

Rating: 7.0/10



sads「freely」MUSIC VIDEO