マテリアルクラブ 「マテリアルクラブ」
- アーティスト: マテリアルクラブ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2018/11/07
- メディア: CD
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中心に立つ小出祐介がどういう思いでこのプロジェクトを始動させたかというのは、今作のオープナー「Nicogoly」の歌詞で懇切丁寧なほどに分かりやすく綴られています。今作の主軸としてヒップホップがあり、彼なりにそのマナーに則ったであろう、いつも以上に具体的な言葉でのアティテュードの提示。福岡晃子(チャットモンチー)や成田ハネダ(パスピエ)といった盟友、その他にもヒップホップ畑からの面々などが流動的に加わり、自らのうちに温められていたアイディア、その中でも Base Ball Bear の枠内では消化しきれないものを吐き出す場所、ということでしょう。ラップや打ち込み、英語詞、また何処となく電気グルーヴに通じるユーモアセンスの「閉めた男」「Kawaii」など、アイディアさえあればとりあえず作って出す。アルバム全体のトータリティよりもチャレンジ精神(と批評精神)を大事にした、課外活動ならではの本気の遊び場。ただ理論が先行しすぎなせいか良くも悪くも収まる所に収まっている感があり、予想ほどの劇的な化学反応は起こっていないなという印象。2018年現在の潮流を意識した、今しか出せない作品だとは思います。
Rating: 6.4/10