DAOKO 「私的旅行」

1年ぶりとなる6作目。


前作「THANK YOU BLUE」では D.A.N. や Tempalay といった新進気鋭のインディバンドを起用したりしていたのが、今作ではボカロPに加えて小林武史中田ヤスタカ水野良樹いきものがかり)の楽曲提供、さらに「打上花火」のソロ再録まで合わせて、もうオーバーグラウンドに向けてガッツリ売る気満々の姿勢。この方向性の転換については良くも悪くもという感じで、前作では正直 DAOKO のヴォーカリストとしての個性が完全に曲に負けてると感じていたのですが、ここではクールな佇まいとは裏腹の柔らかくガーリーな声質を上手く活かし、J-POP としてアルバム全体に一本の筋が通った内容にはなっています。ただトラックの先鋭性やヒップホップとしての面白味はほとんど放棄されてると言って良い。まあ元からラップスキルを売りにしている人ではなかったけれど、ここまできたらラップパートの取って付けた感が際立ってしまって、全体的に絶妙な吹っ切れてなさを感じてしまうのは相変わらず。コラボの名前に頼らずに誰かひとり総合的なプロデューサーがついた方が良いと思うのだけど。あと今年の紅白決まったけどそんな目立つことしてた?

Rating: 4.2/10



DAOKO × 中田ヤスタカ「ぼくらのネットワーク」MUSIC VIDEO