Beirut 「Gallipoli」

Gallipoli [解説・歌詞対訳付 / 国内盤] (4AD0121CDJP)

Gallipoli [解説・歌詞対訳付 / 国内盤] (4AD0121CDJP)

米国サンタフェ出身の大所帯バンドによる、約3年半ぶり5作目。


今作に限らず、彼らの曲名には様々な国の土地名が冠せられていることがよくあります。バンドの中心人物 Zach Condon は世界中を放浪しながら、その土地ごとのトラディショナルな音楽と触れ合うという経験が創作活動の根幹にあるため、必然的に楽曲の世界観にもそういった旅人としての光景が反映されているのだと思います。今作もニューヨーク、イタリア、ベルリンといった多くの場所でのセッションが収録されているとのことで、ストリングスやホーンセクション、オルガンなど多彩な音色のハーモニーが詰め込まれた、Zach 流ごった煮フォーク/ワールドミュージックの応酬。前作「No No No」が比較的シンプルな編成/アレンジを志向していたのに対し、今回は揺り戻しが起こって音響的にも空間を埋めていくタイプの楽曲が多く、彼らならではのノスタルジックで気品のある音楽性が、さらに年月を経て滲み出たような深い渋味を見せています。全体的な方向性としては良くも悪くも大きな変化は見られませんが、国籍も時代も飛び越えた、Beirut でしか味わえない個性という点では安心できる内容です。

Rating: 7.4/10



Beirut - Landslide (OFFICIAL VIDEO)