iri 「Shade」

- アーティスト: iri
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2019/03/06
- メディア: CD
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tofubeats 、STUTS 、ケンモチヒデフミ、大沢伸一と今作でも確かな布陣が共作者として名を連ね、スタイリッシュに磨かれたトラックが揃ったウェルメイドな R&B ポップスの応酬。今回はアルバム表題にある通り「影」をイメージしたとのことで、なるほどこれまでの作品以上に憂いのムードが全体を色濃く包んでおり、スモーキーで情感豊かなヴォーカルを一層引き立てると同時に、確かなトータリティが確保されています。けれどもそのコンセプトの設定は諸刃の剣という感じで、前述の通り様々なプロデューサーとのコラボレーションを果たしている割には楽曲の色味、テンションが一定でのっぺりした流れに感じてしまう。それとこれは彼女が器用すぎるからなのか、確かに楽曲の作りは上質ではあるのだけど、そのソツの無さが逆に引っ掛かりをなくしてしまっていると言うか、良くも悪くも無難という印象。影や憂いという要素も決して今作特有のものというわけでもないし、これまで通りの力量を発揮しているに留まり、その場から動かず足踏みしているように見えます。むしろ前作「Juice」に比べると振り幅が狭まり、縮こまってしまっている感が。
Rating: 6.2/10