never young beach 「STORY」
- アーティスト: never young beach
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2019/05/08
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
はっぴいえんどを初めとする70年代フォークロックからの影響、というのは前作「A GOOD TIME」においても色濃く感じてはいたのですが、今作を聴いてからその前作を聴き返してみると、えらくテンションが高く肩肘張っているというか、現代的なロックンロールとしてしっかりビルドアップされた内容だったのだなと改めて気付かされます。それくらい今作は70年代への憧憬が輪をかけて顕在化してる。昨年のギタリスト脱退を受けてサウンドをどう変化させていくかという問題に対し、敢えて補充などをせず、むしろ音数を減らして隙間を活かす方向で行こうということなのだと思いますが、その結果ますます簡素なものとなった音作り、またすっかり達観、老成したような歌詞の内容、ついでに言えば曲名まで「春らんまん」とかそのまんまだし、ここまで来るといっそ清々しいほどに直球。ただこういったリバイバルの作風に仕上げることで、例えば海外のローファイなインディロックとは違う日本人ならではの独自性が際立っているとも思うし、一切のギミックを排して良質であることに注力した楽曲には、時や場所などに依らない純粋な心地良さがあると思います。
Rating: 7.1/10