Flying Lotus 「Flamagra」

ロサンゼルス出身、Steven Ellison によるソロユニットの約4年半ぶり6作目。


27曲66分。これまでの作品よりもおよそ20分ほど割増しとなった今作は、そのボリュームに反して彼のカタログの中では比較的取っつきやすい内容になっているかと思います。ヒップホップ、ジャズ、エレクトロニカIDM といった雑多なジャンルを縦横無尽に行き来しながら、短尺の曲を積み重ねて宇宙的な世界観を構築する、という手法はいつも通り。今作はそこに Anderson. Paak を筆頭とする若手ラップスター勢から超大御所 George Clinton まで過去最多のゲストが参加、なおかつビート面のフリーキーさは幾分か抑えめで、ヴォーカルを活かすという所で慎重かつ繊細なタッチを意識してる感があります。またインスト曲においても、感傷的なシンセフレーズと真っ当にダンサブルなグルーヴが直接フィジカルを刺激する「Takashi」、スピリチュアルで深遠なムードがますます深みを増してカタルシスへと向かう「Thank U Malcolm」など、音数が整理されたぶん曲毎の聴かせ所がより明確になったようにも思う。FlyLo のアルバムとして新鮮味があるかというと若干弱い気もしますが、それでも十分濃厚さは保たれており、安心と刺激のちょうど良いバランスではないかなと。

Rating: 8.1/10



Flying Lotus - More (feat. Anderson .Paak) [Official Video]