DYGL 「Songs of Innocence & Experience」

Songs of Innocence & Experience

Songs of Innocence & Experience

2012年結成の4人組による、約2年ぶり2作目。


こんなバンドだったっけ?と思わずバンド名を見返してしまった。昨年より活動拠点を日本からイギリスに移したとのことで、その大胆な環境変化、意識改革の影響が音の方にもダイレクトに反映されているのだと思いますが、まあ随分と変わりました。前作では Albert Hammond Jr. プロデュースということでそのまま The Strokes 直系と言える、シンプルかつダーティなニューウェーブ風味の直線的ロックンロールを志向していたのが、今作ではさらに懐古趣味に走り、60~70年代のサイケデリック/フォークロック要素が濃厚に。ガレージ感もそれなりに残されてはいるものの、牧歌的な雰囲気を増した楽曲に合わせて音作りの方もますます輪郭の滲んだ柔らかいものとなり、より一層渋味に満ちた仕上がりとなっています。例えば参照元は違うけれど never young beach しかり、時代を何十年も飛び越えた先の一見古めかしい音楽こそ、若手の彼らにとっては新しく刺激に満ちたものとして映る、ということかと。ただそこに彼らなりの独自のフィルターが効いているかと言うと、このアルバムは正直微妙なところ。良くも悪くも器用で、ソツが無さすぎる気がするのですね。

Rating: 6.3/10



DYGL - Don't You Wanna Dance in This Heaven? (Official Video)