ペトロールズ 「GGKKNRSSSTW」

GGKKNRSSSTW

GGKKNRSSSTW

2005年結成の3人組による、約4年ぶり2作目。


収録曲の頭文字の羅列がそのままアルバムタイトル。完全にアルファベット順に並んでいるだけの曲順。そして歌詞カードなしのシンプル極まりないアートワーク。前作からの4年間のうちに出来上がった新曲を機械的に詰め合わせただけの、あくまでもただの「記録」だという側面がやたらと強調されていて、オリジナルというよりもコンピレーションに近い印象。ただそれは曲が持つ情報以外の尾びれ背びれを一切拒んだ結果というようでもあり、飄々とした印象のある彼らからすると意外なほど硬派なスタイルに見えます。それで実際の曲はというと、これまでのペトロールズが見せてきた音楽性の延長線上ほぼそのまま。洒脱かつ芳醇なメロディ/コーラス、柔らかくも芯のあるグルーヴ、そして自在に音色をスイッチしながら浮遊感あるコードで魅せるギターワーク。ライブで十分に叩き上げられた楽曲ばかりが並んでおり、熟達したスリーピースサウンド以外の目立った試みはなし。むしろそれ以外に何が要る?と言わんばかりの自信、不敵な笑みが音の向こう側に透けて見える。パッケージが硬派なら中身も硬派という、今時珍しいくらいの職人気質に唸らされる一枚。

Rating: 7.9/10