Melt Yourself Down 「100% YES」

100% YES

100% YES

英国ロンドン出身の6人組による、4年ぶり3作目。


ますますキメラ化。バンドの編成としては一応ジャズの体裁を保ってはいるものの、前作を最後にサックス奏者 Shabaka Hutchings が離脱したのも影響してか、ジャズとそれ以外のジャンルの境界線を取り除く動きがさらに加速度を増しています。オープナー「Boot and Spleen」からして縦ノリ全開のリズムに野蛮なサックスの響き、そこに高らかなアジテートを繰り返すヴォーカルが乗れば、その姿はもうすっかりロックンロール、むしろパンクロックと捉えた方がよっぽど納得できる。元々デビュー作の頃からパンク、ファンク、トランスなど、ジャズ外の要素を取り入れることに貪欲な姿勢を示してはいましたが、その融合の手付きがさらに単純明快な方向へと向かい、3~4分台のフォーマットに纏め上げることでインスタントな即効性に特化しています。どの曲もサックスにしろベースにしろ、出だしからリフの力強さで持って行かれるパターンが多く、現場でモッシュの渦を巻き起こす様子がありありと目に浮かぶ。この瞬発力の高さも非常にロックバンドらしい。ゴリッと濃くて後味サッパリ。アルバム表題の潔さは伊達ではないですね。

Rating: 7.9/10



Melt Yourself Down - Crocodile