MyMy 「SONGS FOR THE GENTLE」


ベルリン出身のユニットによるデビュー作。はまぞうなし。


牧歌的なジャケとは裏腹に中身はずいぶん無機質。どの曲も共通してシンプルな4つ打ちの上に、フリーキーなシンセが現れては消えるというスタイル。どの音もかなり洗練されてて隙間が多く、そのためスタイリッシュで無駄がないという印象を受けます。無闇にガンガンアゲるんじゃなくてあくまでクールに、静かにノらせるという感じ。上モノは何処か可愛らしいニュアンスの音色が多くて遊び心が感じられるんですが、その一方で4つ打ちはひたすらミニマルで抑揚が抑えられてるので、妙にシュールで冷え切った空気が生み出されてるという。そういった対比が面白いです。特に 「Blue Skies」 辺りは特に研ぎ澄まされた空気で包まれるような感覚に。でもグルーヴという点では終盤の方が強いかも。生音の響きにハッとする 「Secret Life of Paints」 や、少しアグレッシブに転じた 「Got It」 「Serpentine」 はノリやすくて単純に格好良いと思います。ユニークなコンセプトで統一された低熱クラブミュージックってことで、他にはあまりない味じゃないかと。


Rating: 7.2/10
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