DECODER RING 「THEY BLIND THE STARS AND THE WILD TEAM」

They Blind the Stars & the Wild Team

They Blind the Stars & the Wild Team

シドニー出身の6人組による4作目。初めて聴きました。


所謂ポストロックの範疇に属する音ですが、他のバンドよりもオルタナティブ・ロックバンドとしてのスケールの大きさと、幻想的でイマジナティブな美しさを重視した作風です。 Coldplay の前座を務めたというのもある種納得がいく、スタジアムレベルの壮大なスケール感や力強さがあり、ドラマチックなストーリー性を感じさせるたおやかなメロディが、演奏陣の生み出す荒々しい渦を纏って舞い上がるように響く。静寂と轟音を極端に行き来すると言うよりは、その二つが絶妙なバランスを保ちながら混在し、その上で感情の起伏を緩やかに、ダイナミックに生み出していくといった感じ。ピアノやストリングスも実に自然にバンドアンサンブルの中へ溶け込み、表現する音世界をよりディープで説得力あるものにしています。特に終盤の 「Let A Thousand Flowers Bloom」 は外向きの温もりと華やかさが広がる、今作中一番のハイライトですね。ポストロックとして強烈な個性があるとまではいきませんが、頭でっかちな難解さは無く窓口は広いです。演奏の骨太さと優美さを分かりやすい形で融合させた良作じゃないかなと。


Rating: 7.4/10
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