DAVID SYLVIAN 「Manafon」

Manafon

Manafon

元 Japan のヴォーカリストによる、ソロとしては6年ぶりの新作。


俺はデヴィシル関連については Japan 「Tin Drum」 しか聴いたことないのですけども、当然と言うべきかそれとは全く印象が違いますね。デヴィシル本人のヴォーカルは元来のミッドローヴォイスの艶やかさにベテランならではのハスキーな渋味が加わって、衰えを知らないさすがの個性を発揮していますが、その背後には様々な管弦楽器が異様な静けさの中で一音一音を鋭く打ち鳴らす、まるで音の居合抜きのような様相を呈したインプロヴィゼーション。そこにヒスノイズや衣擦れのような物音などが入り混じり、凄まじい緊張感で聴き手の感覚を麻痺させ、惹きつける。例えば This Heat や Nurse With Wound のようなノイズ/アヴァンギャルド勢に通じる超玄人向けスタイル。以前からのファンがこの作風に対してどう思うのか少し興味深いですが、個人的には…うむー、ヴォーカル主体であるにも関わらずメロディらしいメロディはほぼ皆無なので、やはり通して聴くにはえらく体力が要りますね…。前述の NWW みたいに愉快な (?) 悪意というわけでもなく、どうも悪い意味での高尚さ/インテリ的な敷居の高さが引っかかりました。


Rating: 5.8/10
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