tUnE-yArDs 「W H O K I L L」

Who Kill

Who Kill

US 出身、 Merrill Garbus によるソロユニットの、1年10ヶ月ぶり2作目。


ローファイだけど天真爛漫。インディロックのバンドサウンドを自由度高く編集/ミックスし、エレクトロニカあるいはトイポップなどに通じる実験性を打ち出しつつ、やたらとファンキーなグルーヴだけは通底していて印象はキャッチー。そして彼女の歌声はそのリズム以上にファンキー。聴き手を鼓舞するようにがなり声を上げ、矢継ぎ早に言葉をまくし立て、時には優しく囁くような繊細さも見せる。アグレッシブで挑発的、時にほんのりシャーマニック、なおかつ包容力もあるという女性ならではの多面性。この歌声が常に中心に在るというのが大きい。リズムに対する歌の乗せ方が非常に上手く、実に歯切れの良いテンポで身体にヒットする。彼女が R&B 的と言われるのはきっとこのグルーヴの強さがあるからですね。サウンドの冒険/遊び心と芯にある力強さが上手く釣り合い、カラフルな新型ポップスとして痛快な聴き心地です。おもちゃ箱をひっくり返したような勢いの 「My Country」 、ヒップホップ度高めかつ一層フリーキーに展開する 「Gangsta」 、視界がパッと開けるような高揚感が広がる 「Bizness」 など、クールな知性と無邪気な本能が拮抗する10曲。きっと大人から子供まで楽しめるよ。


Rating: 8.4/10
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