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Alcest 「Shelter」

A

Shelter

Shelter

フランス出身の2人組による、2年ぶり4作目。


元々ブラックメタルを基盤としながら、ポストメタルやシューゲイザーといった空間的サウンドを志向している彼らではありましたが、ここまでシューゲイザーに振り切れた作品を作ってくるとは思いませんでした。実質的なオープナー 「Opale」 ではかつて彼らが表現していたディープな悲しみ、憂い、あるいは苛烈な激しさというのはここには微塵もなく、ジャケット写真よろしく陽の当たる場所へと手を伸ばす純正シューゲイザーサウンド。清冽とした透明感に満ちたギターの重層は俗世の穢れをスッキリ洗い流してしまうようで、意識を委ねているだけで心地良くなれます。その一方で中盤 「L'Éveil des Muses」 では従来の翳った色味を強めたり、 「Délivrance」 では尺を10分にまで拡張してその聖性を強め、もはや Sigur Rós の域まで到達してしまったり。ただメタル成分がほとんど抜け切ったという意味で彼らにとっては革新的な作品だと思いますが、単純にシューゲイザー/ポストロックとして聴くと他との差異が少なくなってしまった気もします。この実験的な一手が次作でどう反映されるのか興味深いですね。

Rating: 6.8/10