ちゃんみな 「CHOCOLATE」

CHOCOLATE(初回限定盤)(DVD付)

8ヶ月ぶりのリリースとなるミニアルバム。

デビュー作「未成年」ではハスキーなクセの強い声質を活かしたラップスキルと、とことん前傾姿勢のセルフボーストが特に印象に残っていたのですが、今回は比較的メロウな側面の方がメイン。それによって前作だと「ナニモコワクナイ」などで見られたレゲエフレイヴァーが全体的に顕著に表れているように感じます。思いつくところだと Major Lazer「Lean On」の雰囲気に近い、ダンスホールの喧騒と刹那的な感傷が入り混じったような感覚。「FXXKER」のようなパンチの効いた路線を求める向きには少し弱く感じるかもしれませんが、元々メロディの歌唱力も高いので今作の路線でもしなやかさと同時に毅然とした強さを感じるし、歌詞においても「WHO ARE YOU」や「TO HATERS」など、アンチの批評など掃いて蹴散らす強気のスタイルは崩しておらず、彼女はやはり一歩も引いていない。8曲というボリュームで前作より統一感もあるし、わずか1年にも満たない間で鋭い棘を保ちつつ洗練を果たすというのは若さの成せる業なのか。

Rating: 7.9/10

ちゃんみな (CHANMINA) - CHOCOLATE (Official Music Video) [YouTube Ver.]

The Body & Full of Hell 「Ascending a Mountain of Heavy Light」

ASCENDING A MOUNTAIN OF HEAVY LIGHT(アセンディング・ア・マウンテン・オブ・ヘヴィ・ライト)

The Body と Full of Hell によるコラボレーション2作目。

ドゥーム／スラッジメタルとインダストリアルの融合を試みる The Body と、グラインドコアとノイズの融合を試みる Full of Hell 。速度の違いこそあれど両者ともにエクストリーム・メタルの極北を目指すベクトルは同じ。前作の時点でその相性の良さはすでに証明されていますが、この新譜では二組の個性がより有機的に、複雑な絡み合いを見せています。バンドアンサンブルのヘヴィネスが狂気的な凄みを発散しながら、いたずらに恐怖感を煽るエレクトロニクスはともすればシャープに洗練された印象をサウンド全体に与えており、さながら Nine Inch Nails の併せ持つ知性と攻撃性を両極端にブーストしたようなイメージ。「The King Laid Bare」なんかは Esplendor Geometrico など80年代頃から続くパワー系ノイズサウンドの正統進化系といった趣だし、フリージャズの柔軟な質感も加えられた「Light Penetrates」「Our Love Conducted with Shields Aloft」、4つ打ちの軽快なグルーヴが嫌にキャッチーに映る「Master's Story」など、インパクト一発なようでいて実は複雑に練り込まれたテクスチャー。彼らの孤高っぷりもいよいよ極まってきた感があります。

Rating: 8.1/10

The Body & Full of Hell - Farewell, Man (Official Music Video)