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Aphex Twin「Cheetah EP」

A

1年半ぶりのリリースとなるミニアルバム。


先日は渋谷の街頭ビジョンをジャックして世間様を困惑させていたリチャード先生。夏にピッタリのスッキリしたジャケットが印象的な今作は、案の定まるで夏に似合わない中身です。基本的には「Syro」の路線。ビートの一音一音がクリアに研ぎ澄まされて身体にヒットし、何処となくダークな雰囲気を漂わせながら妙にポップで馴染みやすい感触もあるという。ただどの曲も BPM は落ち着いたミディアムで統一され、この上なくシンプルな4つ打ちは淡々としつつも粘っこくファンキーなグルーヴを打ち出してる。上モノも性急なドリルン要素は排され、むしろ彼の持つアンビエントサイドの方が強く表れた、真っ暗闇の廊下を手探りで歩くようなミステリアスさが印象的。後半の「CIRKLON」連作になるとビートの主張が強くなって即効性が増しており、この辺からは現在でも彼の中でリスナーフレンドリーなモードが続いてることが伺えますね。総じてより少ない音数で組み立てられた楽曲群は Aphex Twin の持つ魅力、すなわち何を考えてるか分からない変態と表裏一体の知性、ストレンジな中毒性をさらに洗練させてスマートに仕上げています。

Rating: 7.7/10



Aphex Twin - CIRKLON3 [ Колхозная mix ]

Migimimi sleep tight「The Lovers」

M

The Lovers

The Lovers

2016年結成の4人組による初リリース作。


中心メンバーは涼平メガマソ)と松本誠治(the telephones)という異色のようで納得の二人。フリーキーなアレンジの遊び心やファンタジックな世界観、そしてキラキラV系としてのツボをきっちり押さえたポップセンスという、涼平が以前から見せていた独自の作風。この新バンドではその個性が程良く洗練されながら、より自由な形で活かされています。まず冒頭「puputan」のインパクトに首根っこを持っていかれる。可変速ダンスビートに警鐘のようなシンセ、そしてサビでは切なさ満載のメロディがブワッと開けるという、V-ROCK の枠組みを解体後に再構築したようなキラーチューン。その後は「Migimimi」や表題曲「The Lovers」などのタイトな疾走感でV系の王道を踏まえたり、サンバ風味のパーティーチューン「WonderWave」、曲名通りエレクトロニカ要素の強い幻想的なミディアム曲「Chill out, White out」といったチャレンジングな楽曲もあったり。何と言うか、ヴィジュとしてはかなり異色なのだけど、非ヴィジュとして聴くにはヴィジュ成分が濃厚という絶妙に寄る辺のない立ち位置。つまりは他にあまり類を見ないオリジナリティ、か。

Rating: 7.8/10



Migimimi sleep tight "Migimimi" (Official Music Video)