Pig Destroyer 「Head Cage」

Head Cage

Head Cage

US はヴァージニア出身の5人組による、約6年ぶり6作目。


2004年作「Terrifyer」を初めて聴いた時の衝撃は忘れられません。鼓膜にザクザク突き刺さるヘヴィネスの鋭さと肉々しさ、そして瞬時にパターンを切り替えるリズム隊の異様なフットワークの軽さ。1~2分程度の楽曲を矢継ぎ早に畳み掛けるグラインドコアならではの暴力性と、本能的な快楽原則にとことんまで拘ったが故のキャッチーさが際立った、日頃のストレスも瞬時に打ち砕いてくれるヒロポン的傑作でした。もちろんそれ以降の作品でも Pig Destroyer は全く間違いを犯していません。今回はこれまでベースレス編成を続けていた彼らにとって初となる正式ベーシスト参加作。鋼鉄の鞭を大きくしならせるような重低音ベースは終盤の「The Last Song」「House of Snakes」で特に存在感が顕著ですが、それ以外の楽曲でもヘヴィネスをさらに重厚なものとしつつ瞬発力は全く落とさず、アンサンブルを更なる高次元へと押し上げています。従来の不意打ちショートチューンのみならず「Army of Cops」「Concrete Beast」のようにグルーヴ感を強く意識したものもあり、もしかすると彼らのキャリア中最も取っつきやすいかもしれない充実作。

Rating: 8.4/10



PIG DESTROYER - Army of Cops (Official Music Video)

ENDON 「BOY MEETS GIRL」

BOY MEETS GIRL

BOY MEETS GIRL

2007年結成の5人組による、1年半ぶり3作目。


これまたえげつない音であることよ。前作「THROUGH THE MIRROR」ではデスメタルあるいはグラインドコアの攻撃性に狂気的なノイズを被せて独自の音像を確立していましたが、今作ではもっとオーセンティックな HR/HM に寄ることでロックバンド本来のタフな肉体性が表れているように感じます。リズム隊は直線的な速度で迫り来るのではなく、70年代風のルーズなグルーヴで土臭くワイルドな熱量を発散し、またギチギチに歪み切ったギターのリフワークもより明確に伝わる作り。特に「Heart Shaped Brain」や「Final Acting Out」などで見られるドライブ感はロックンロールが元来持ち合わせている魅力そのもので、彼らが真っ当にロックバンドの体を成しているということに一周回って驚かされる。まあ真っ当とは言ってもヒステリックな極悪ノイズは相変わらずてんこ盛りだし、唯一の長尺曲「Doubts As a Source」では嗚咽と破壊音がカオティックに混ざり合って彼らの露悪的な変態性を目一杯に浴びせられるしで、やはり単純にロックと呼ぶにはあまりにも奇形過ぎるのですが。回帰と先進を同時に果たして見せた、その力業に圧倒される。

Rating: 8.1/10



ENDON 【 BOY MEETS GIRL】