Lightning Bolt 「Sonic Citadel」

ソニック・シタデル

ソニック・シタデル

US 出身の2人組による、約4年半ぶり7作目。


今作の「音の城塞」というアルバム表題は、彼らの過去のカタログ全てに対してもそのまま当てはまる表現だと思います。ベース×ドラムの最小編成が最大の手数で織り成す爆裂ノイズ/ジャンクロック。今作は彼らにしては音像が整理整頓されていたり、リフやメロディにはキャッチーなものが多かったり、中には「Hüsker Dön't」だの「Van Halen 2049」だのアホな曲名もあったりで、割かし初見の人でも取っつきやすい方かなとは思います。まあそれでも圧倒的に濃く、闇雲に過激なのはいつも通り。思えば彼らはデビュー以来、表面的な質感の変化はあっても、実験などという言葉で芯の部分を捻じ曲げるようなことは一切ありませんでした。もちろん一般的に見れば彼らのスタイルが特異なのは確か。しかしそれは前衛を志していると言うよりも、ただただ本能に従って肉体的快楽を追い求めた、あるいは常に熱くあるべしというロックンロールの信条を律義なまでに貫いた、その究極の結論という風に見えるのですね。コースアウトしまくってるようで、実は彼らの中ではこれこそがロックの王道ど真ん中くらいの気持ちなのではないかと。相変わらずの直向きな一発。

Rating: 8.0/10



Lightning Bolt - "Hüsker Dön't" (Official Audio)

Battles 「Juice B Crypts」

ニューヨーク出身の2人組による、約4年ぶり4作目。


いつの間にかギタリスト Dave Konopka が脱退してしまって、しかしその反動によってか、今作を聴く限りでは残留メンバーの頭のネジはさらに数本吹っ飛んでいるように見えます。作品を重ねる毎にシンセサウンドはソリッドな太さを持ち、アレンジの構築はどんどんキッチュなものと化しているのが、ここでさらに最高値を更新。オープナー「Ambulance」で未開の地の祭囃子のような祝祭感と直線的なスピード感が、「They Played It Twice」ではゴージャスに開ける R&B の華やかさが、「Titanium 2 Step」ではファンクロックの波打つ肉体性が、「IZM」ではヒップホップのキナ臭く鋭利なクールネスが、全て例外なく素っ頓狂なシンセの積み重ねによって複雑骨折させられており、他ジャンルとのクロスオーバーという綺麗な表現では間に合わない、悪ふざけスレスレの大胆不敵な汚しっぷりが目立つ。しかしながら上モノのやけにカラフルな質感であったり、John Stanier のドラムに由来する骨格の強さも奏功して、実験的でありながらひどく愉快痛快なキャッチーさも持ち併せてるという。こりゃポストロック、ポストハードコアと言うよりもポストポップなのでは?

Rating: 7.6/10



Battles - Titanium 2 Step ft. Sal Principato