Blanck Mass 「Animated Violence Mild」

Animated Violence Mild

Animated Violence Mild

英国出身、Benjamin John Power によるソロユニットの約2年半ぶり4作目。


本隊 Fuck Buttons のデビュー時から、インダストリアル/ノイズの持つ攻撃性をいかに壮大に膨らませられるかという命題を彼は抱え続けており、このソロユニットにおいてもその方向性はずっと一貫しているように見えます。そしてこの最新作ではそんな彼の飽くなき探求心、信念が新たな臨界点を突破しています。冒頭「Intro」~「Death Drop」で早々に大放出される硬質なインダストリアルビートの飛礫、広く拡散するハーシュノイズと良い意味で大味なシンセ音の重層、さらにはデスヴォイスも加わっての暴力的サウンドはさながら絨毯爆撃のよう。しかし敢えて低音を強調していないためか不思議と心地良い浮遊感も孕み、またシンセフレーズには EDM 風の開放的なポップ感もあったりで、ジャンクでありながら陽性のヴァイブスをビンビンに感じる。インダストリアルと EDM 、双方から肉体的な快楽のみを抽出してひたすら機能性に特化しながら、毒々しさと清らかさがダイナミックに混ぜこぜになった全く新種の音世界が錬成されてるという。この痛快極まりないエクストリームな剛腕こそ彼ならではのものでしょう。デカ箱で爆音で浴びたい。

Rating: 8.5/10



Blanck Mass - Love Is a Parasite (Official Music Video)

Slipknot 「We Are Not Your Kind」

We Are Not Your Kind

We Are Not Your Kind

約5年ぶりとなる6作目。


これまでの作品の中で最も艶めかしく、淫靡とも言える内容ではないかなと思います。もちろんメタル、ハードコア、ヒップホップの3種のアグレッションを混ぜこぜにした肉体性は健在ですが、今作ではそれと同等に匹敵するほどの存在感を持って、シリアスで荒涼とした雰囲気、低く迫るダークな毒気が棚引いています。「A Liar's Funeral」「My Pain」といった重苦しいスロウ曲はもちろん、「Death Because of Death」「What's Next」のようなインタールード曲も世界観の演出に一役買っており、とにかく過激に押しまくるというイメージの強い彼らにしては緩急のメリハリがえらくスムーズ。なので冒頭を飾る新たな王道曲「Unsainted」、また特に即効性の高い「Nero Forte」「Red Flag」などを経ていても、最終的には沈痛という意味でのヘヴィな印象が強く残る。このある意味成熟したとも捉えられる内容は従来のファンにとっては賛否が分かれるかもしれませんが、個人的には最も全体の構成が練られたアルバムだとも思うし、新たな一手という意味ではなかなか好感触なのではと。しかしここまで貫禄のあるバンドになるとはデビュー時に誰が予測できたかしら。

Rating: 7.8/10



Slipknot - Unsainted [OFFICIAL VIDEO]