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Thee Oh Sees「An Odd Entrances」

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An Odd Entrances

An Odd Entrances

カリフォルニア出身の4人組による、3ヶ月ぶり12作目。


ライブ盤も入れれば今年3枚目のアルバムリリース。どんだけ作るねんこの人ら。タイトルがちょうど前作「A Weird Exits」と対になっていますが、内容も前作のレコーディング時に作られたものを分けて出したとのこと。ざっくりファジーでサイケデリックなガレージパンクという骨格は同じながら、こちらは彼らのサイケサイドに焦点を当てた内容。何処へ向かうでもなくゆらゆらと空中に揺蕩うアンサンブルは、躁状態の多かった前作とは打って変わってディープな酩酊を齎すものであり、ちょうどレコーディング現場で濃密な狂騒を生み出すための下準備のようでもある。各パートの音はソリッドで生々しいのだけど、それらが重なった時にそこはかとなく生まれる恍惚感、このムードも彼らにとっては必要不可欠のものであるという、ある意味彼らのエッセンシャルな部分のみを抽出したような演奏です。ラストの長尺曲「Nervous Tech (Nah John)」なんかは完全にジャムセッション。お互いの様子を伺う現場の緊張感、一触即発のキナ臭い空気がジワジワと伝わってくる。アウトテイク集的な作品ではありますが、彼らの毒素をより深く堪能したい人へ。

Rating: 6.9/10


soundcloud.com

Destrage「A Means to No End」

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A Means To No End'

A Means To No End'

イタリア出身の5人組による、約2年半ぶり4作目。


崖の上のポニョ」のバカみたいなカヴァー演ってたのがまるで嘘だったかのように、今回かなり真面目です。核にある切れ味鋭いメタルコア要素はそのままに、空間的な装飾を多く交えてプログレッシブな要素が一気に増し、時には面妖かつ妙な艶めかしさを感じさせるメロディが棚引くなど、サウンド面で随分と凝った作り。ダークで物々しい雰囲気が流れる中で、細かな変拍子も多く盛り込んだテクニカルなへヴィネスが噛んでくるものだから、ある意味真っ当なマスコアに接近したというか、パワフルなハイトーンヴォーカルの質感も相まって、自分には Protest the Hero と重なる部分がかなり大きい。もちろんただ単にフォロワーと化したわけではなく、重戦車級シャッフル「Silent Consent」や一点突破の凄まじいスピード感を見せる「Dreamers」など、小手先で捏ね繰り回しただけでは生まれないであろう肉食のアグレッションは健在。キャッチーな激しさという立ち位置を見失わないからこそ、ダークな世界観の演出が映えるというもの。バンドがネクストステップに進むための試みとしては成功してると思います。

Rating: 7.6/10



Destrage "Don't Stare at the Edge" (OFFICIAL VIDEO)