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ART-SCHOOL「Hello darkness, my dear friend」

A

Hello darkness, my dear friend

Hello darkness, my dear friend

約2年ぶりとなる8作目。


一聴した感想としては、とても優しい。従来のアートらしいオルタナの大幹を崩さない程度に、随所に挟まれたエレクトロビートやシンセ、ストリングスの装飾。それは例えば「あと10秒で」のような、バンドサウンドと打ち込みの間に(良くも悪くも)微妙なチグハグ感を残した形ではなく、荒々しさよりも透明感や繊細さを重視したアンサンブルと上手く調和し、違和感なく新鮮なフォルムを提示することに成功しています。今回新たに自主レーベルを設立し、自分の意思を十分に通しながら気心の知れた仲間と作品を作る環境が整ったということで、楽曲からは何処か肩の力が抜け、自然と窓の開かれた雰囲気を感じます。とは言いつつもアルバムの特に中盤あたりになると、なかなかに目を背けたくなる心象風景の連続。「お母さん 僕はもう 鏡を見たくない」「大人になりさえすれば この穴は埋まるなんて そんな言葉嘘でした」。すでに骨と皮しか残っていなさそうなのに、それでもなお自らの血肉を切り売りする痛々しさ。これらの言葉もちょうどアルバム表題と同じ、まるで時候の挨拶のように投げかけられる。さすがは我らの木下理樹

Rating: 7.8/10



ART-SCHOOL「brokeneyes」MUSIC VIDEO

Nothing「Tired of Tomorrow」

N

Tired of Tomorrow

Tired of Tomorrow

フィラデルフィア出身の4人組による、約2年ぶり2作目。


話によるとメンバーが元々パンク/ハードコア畑の出自ということで、現在でも方々にケンカを吹っ掛けたり何かと問題行動の目に余るバンドらしく、それが何故こんなジェントルな音を出すのか不可解でしょうがない。90年代シューゲイザー/ドリームポップとオルタナティブロックの折衷といったところのギターサウンドで、ザックリとした荒々しい厚みと心地良い浮遊感が綺麗に融和し、ひどく開放的でダイナミック、なおかつ繊細なニュアンスも感じられるという、90年代至上主義者にとってはもう痒い所に手が届きまくりの音楽性ではないかと。ただこの暖かなサウンドから彼らが今作ですっかり改心してるのかと思いきや、どうやらそうでもないようで。残念ながら歌詞は不明なのですが「明日にはもううんざりだ」というアルバム表題、また不穏な楽曲名からも優しげな表層の裏では失望や諦観など、負の感情のダダ漏れが察せられて、どうにも油断ならない。純粋に楽曲としては程良い疾走感の「Vertigo Flowers」、特にテクスチャーの緻密さが光る「Nineteen Ninety Heaven」など佳曲は多いけれど、裏側に妙な血腥さを嗅ぎ取ってしまうのは勘繰りすぎでしょうか。

Rating: 7.3/10



NOTHING - "Eaten By Worms" (Official Music Video)