橋本絵莉子波多野裕文 「橋本絵莉子波多野裕文」

橋本絵莉子波多野裕文

橋本絵莉子波多野裕文

橋本絵莉子波多野裕文によるデュオのデビュー作。


えっちゃんが詞を書き、波多野氏がそこに曲をつけるというのが今作での基本スタンス。なのでここにはチャットモンチーで見られる揚々としたメロディや遊び心というものはありません。People In The Box での音響的/実験的アプローチは「アメリカンヴィンテージ」などで活かされてはいますが、決してそこに重きを置いているわけでもない。簡素なアコギもしくはピアノ、あとは柔らかなドラムの鳴りのみを主幹とし、場面によってはそこに種々の打楽器などがささやかに挿入される、至って素朴なフォークポップ。互いの個性を殊更にぶつけ合うのではなく、どちらかが主導権を握るでもなく、全く別の新しいキャンバスに各々が好きな絵の具を塗っていくような、肩の荷の降りた自由さが印象的。その中で最も浮き彫りになったのはえっちゃんの作詞家としての表現力でした。自分の内に残る原風景を光も影も含めて描いた「飛翔」、離別の切なさがさらりと香る「君サイドから」、故郷徳島への思いがぼんやりと浮かんで見える「臨時ダイヤ」など、純朴さの中にハッとするような冷たさを孕んだ、その詩情の豊かさに深く唸らされる。いやはや奥底の知れない人だ。

Rating: 7.7/10



橋本絵莉子波多野裕文 『トークトーク』

Plastic Tree エッセンシャルトラック10選

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今年はメジャーデビュー20周年「樹念」ということで様々な企画を発表している Plastic Tree 。当ブログでは随分前にカタログ総ざらい記事をアップしておりますが、この機会にまた改めて彼らの軌跡を振り返ってみたいと思います。いつの間にか20年にも及んだキャリアの中で、特に重要であろうと私的に認識している10曲です。以下時系列。

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