sads 「FALLING」

約8年ぶりとなる7作目。


奇しくもこの記事を投稿した本日10月30日は、清春の50歳の誕生日です。今年一杯で活動を停止するサッズに対して、清春はいつもの身も蓋もないほどに飾らない言葉で、現時点での思いをインタビューで語っていました。曰く、50を迎える自身がやるべきことはソロワークであり、バンドとしてやれることはもうやり切ったと。確かにここ数年の清春は特にアコースティック・スタイルへ力を注いでおり、彼のヴォーカルの魅力を際立たせつつ、さらに深い渋味のある表現へと移行していました。今やバンドは自分にとって挑戦的なことではない、そう言い切った彼にとってこのラスト作は、せめて綺麗な幕引きを飾ろうというある種のけじめなのかなと思います。現サッズならではの逞しいヘヴィネスに、以前よりもいくらか音圧の強まったシンセ類。ただアグレッシブな速度ではなく、メロディの憂いを中心としたミディアム曲が多く並んでおり、ヘヴィロックに今の清春が目一杯寄せられるとしたらここ、という塩梅。鮮烈なダンスナンバー「smily sadly」などを聴くと、まだバンドにも伸び代は残っているのではという一抹の寂しさも浮かびますが、引き際は大事ですからね。

Rating: 7.0/10



sads「freely」MUSIC VIDEO

Cloud Nothings 「Last Building Burning」

LAST BUILDING BURNING [CD]

LAST BUILDING BURNING [CD]

米国オハイオ出身の4人組による、1年9ヶ月ぶり5作目。


Sunn O))) や Earth などの豪傑を手掛ける Randall Dunn をプロデューサーに迎え、僅か8日間でレコーディングを終了させたという今作。この前情報だけを見ても、自らの衝動をいかに上手くパッケージするかという彼らの野心が透けて見えそうなものですが、実際の内容も確かにひどく生々しい勢いに満ちたものとなっています。前作「Life Without Sound」では敢えて速度を抑えた楽曲をメインに据え、より多面的かつ深みの増した表現を志向していましたが、今作ではまた一気にギアを上げたファストチューンの応酬。音自体は決してヘヴィではなく、むしろ飾らないローファイな質感の方が強いですが、そのぶんノイズも混み混み、全力のストロークでかっ飛ばすヤケクソの疾走感がグサグサと刺さってくる。凄まじい手数でドライブする Jayson Gerycz のドラミングも相変わらず異様なキレを見せ、その一方で柔らかくもフックの効いたメロディセンスにハッとさせられるという、このバンドならではの味はしっかり生きています。新鮮味という点では少し停滞している感もありますが、よりコアに、より贅肉を削いだ演奏から発せられるシリアスな迫力はやはり刺激的。

Rating: 7.4/10



Cloud Nothings - "The Echo Of The World"