AKERCOCKE 「ANTICHRIST」
- アーティスト: Akercocke
- 出版社/メーカー: WEA/Earache
- 発売日: 2007/05/21
- メディア: CD
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ブラックメタルであります。タイトルからして直球ですけど中身もヤバい。ズパパパパと放たれる超高速ブラストビートや篭りがちながらアグレッション剥き出しの超技巧ヘヴィサウンドも凄いですけど、それ以上に凄いのがヴォーカル。洗練とはまるで無縁な、内臓ごとボタボタとゲロってるゾンビみたいなデス咆哮が気持ち良いくらいに気持ち悪い。しかし闇雲に悪意を垂れ流してるわけではなく、急にシアトリカルなメロディが切り込んできたり、曲によってはアコギやシンセ、トライバルなパーカッション、語りなんかも導入されてて、ヴァラエティ豊かなアイディアを生かした曲構成には知能犯的な練り込み具合が伺えます。ギターソロやリフには真っ当な格好良さを感じられる部分も多くあり、上手い具合にメリハリが効いててヘッドバンギングを誘発するダイナミズムはバッチリ。その上でゾンビが呻いたりカラスが鳴いたり悪魔召喚の儀式が行われたりするわけで、邪悪な瘴気がブルータルな演奏に装填されて景気良く暴発されてるという。確実に致死量超えてますけど、いやしかしクセになりますコレ。そもそも音自体にはメタルの旨みがグッと凝縮されてるし、まさに中毒的な魅力があると思います。一度試してみてはいかが。