COCOROSIE 「The Adventures of Ghosthorse and Stillborn」

Adventures of Ghosthorse & Stillborn

ニューヨーク出身の姉妹デュオによる3作目。初めて聴きました。

耽美ゴシックなジャケットに惹かれて聴いたんですが、中身はそれほど重厚だったりおどろおどろしいわけではなく、むしろ可愛らしさやあどけなさの感じられる内容でした。深遠かつ繊細な空気の中にヒップホップのグルーヴを効かせたエレクトロニカを展開、その上で透明感あるヴォーカルが優しく広がり、周りには様々なコラージュ音がフリーキーに散りばめられるという。そういった遊び心や暖かさ、切なさの交錯する世界に包まれる 「Rainbowarriors」 「Animals」 、琴っぽい音を取り入れつつ毒っぽさの注入された陽気さが印象的な 「Japan」 、ささやかな歌声が沁み渡る小曲 「Sunshine」 と、随所に一筋の光みたいな明るさが差し込んでくるんですが、その一歩先は何も見えない闇なわけで、ふとした弾みで崩れ落ちそうな心細さがどうしてもこびり付く。そんな一筋縄ではいかない不安定な感覚、またメルヘン （メンヘル？） な妄想炸裂の歌詞も相まって、可愛らしさがあるとは言ってもやっぱりこの音はゴスだなあと。 world’s end girlfriend とか好きな人は気に入るんじゃないでしょうか。残酷童話を音で描いた1枚。

Rating: 7.6/10
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