FUJI ROCK FESTIVAL '07 3日目


昨日に続いてフジ最終日。湯沢の温泉でゆっくり疲れを癒し、この日も朝イチで向かいました。 toe のTシャツ買ったりして時間を潰しつつ、タイムテーブルを凝視。この日は見たいものが少ない上に色々被ってるんだよな…。思考を巡らせながらスタートです。


DEERHOOF @ WHITE STAGE
面影ラッキーホールとどっちにしようかかなり迷ったけど、歩くのが面倒臭いので (えー) こっちにしました。でも結果的に良かった。 「MILK MAN」 で始まって 「FRIEND OPPORTUNITY」 の曲を中心にしたセットリスト。長身に似合わず超シンプルなセットでバカスカ叩きまくるドラムと、鋭くノイジーに暴れるギターがなかなかエグく刺さり、その上のメロディや歌詞は可愛らしくてとぼけた感じという。ライブだとその対比がより一層強まってた気がします。ヴォーカル/ベースのサトミさんは小さい体でピョコピョコ跳ねたり鳥のぬいぐるみを頭に乗っけてみたり、ドラムのアホな MC で笑いをとったり、そういったパフォーマンスでも引き込むし、なにより勢い任せで破綻しそうでもキメではビシッと合わせる演奏が凄く格好良かった。シンプルでソリッド、さらにファニーっていうね。満足です。


ELECTRELANE @ WHITE STAGE
初めて聴きました。女3人+男ドラムの4人組。陰りのあるメロディを中心に据えたギターロック、曲によってはピアノもプラス、的な。厚みのある演奏と清涼感のあるヴォーカルがなかなか良かったんですけど、ディアフーの直後なだけにちょっと真面目すぎて面白味に欠けるという印象でした。まあ普通に良いかなー、みたいな感じ。機会があったらちゃんと聴いてみたいけど、そう言う時って大概は聴かないのよね、という現実。


toe @ WHITE STAGE
1曲目がいきなり 「グッドバイ」 、しかもゲストヴォーカルに土岐麻子 (あとクラムボンのミトとサポートのキーボード) 。うはーこれ反則だろう…とか思ったけど、上モノが混ざり過ぎてるせいかそれぞれの音がはっきり聴こえず、あれー?ってなる。それは次の 「8.6」 とかでも同じ。あと周りが必要以上にノリノリでゆっくり聴きたいのにそうさせてくれず、思うようにテンションが上がらない。でもサポートがみんなハケて、純粋に4人になってからは良くなってきましたね。ライブでは音源よりも感情を露わにして、リリカルさや流麗さの上に荒々しさが加わっていたのが印象的でした。特に生きてるようにゴロゴロ転げ回る柏倉氏のドラムはやっぱり聴き応えありますね。 「孤独の発明」 や 「I dance alone」 など新旧織り交ぜたセットで、ラスト 「path」 では特にエモーショナルな衝動を発散させて終了。良かったかな。


この辺で雨が結構降ってきて肌寒くなってきまして、さらに人の多さにも辟易してへたりこむ。トイレ行って戻ってくるだけで20分経ってるってどうよ…。しばらくところ天国でぽけーっとしてました。飯は意外と、どの店も普通に旨かったです。量は相変わらずぼったくりだけどな!ぐちぐち。


clammbon @ WHITE STAGE
他に見るものないしクラムボンでも見とこうかなっていうノリだったんですけどね。1曲目が完全ディスコでカラオケ状態なのには面食らいましたけど、それ以降はイメージ通りのクラムボンでした。以前にちょろっとアルバム聴いたことがあって、そん時は 「ほんわかしてて上品で、ほんのり実験的な所もあるピアノ主体のポップス。でも別に…」 みたいな感じだったんですが、今回は切なさを纏って高速で疾走する曲もあったりして、素直におお良いなと思いました。でも新潟震災で幼児のバイタルサインがどうのっていう MC でウッてなる。そんなクサさ丸出しのピースフルされてもねえ…。そういうのがちょっと共感できなくて集中力が途切れてしまう。あまりぐだぐだ言いませんけど、単純に音楽は音楽だけでほっといた方が良いんじゃないのとか思いましたとさ。


BATTLES @ WHITE STAGE
セッティング時にドラムの異様に高いシンバルでみんな笑う。あれ何のメリットがあるんだろうか…インパクトだけは凄いですけども。 「RACE:OUT」 で始まり、 「MIRRORED」 の曲をほとんど逆順で演奏していくという内容。テクニックや機材を駆使して異形の民族ダンスミュージックを繰り広げていく。最初ははしゃぐ気満々だったんですが、なんか周りのノリが微妙と言うか、ガンガンにノってる人と棒立ちの人にぱっくり二分してる気がする。退屈な人はホント退屈そう。 toe の時もそうだけど、今回はえらく周りの客に影響されてる気がするなあ俺…。なんかリミッターを外したいのに外しきれない、もどかしい状態がずっと続いてました。それってアルバムにも同じことが言えるかも。それでも 「TIJ」 「ATLAS」 なんかでは頑張ってノってましたが。うむー、不完全燃焼。


V∞REDOMS @ WHITE STAGE
バックは真白なスクリーン、ステージには3台のドラムセットと、あれ何だろう…何本ものギターを平行に組み合わせたオブジェ的なものと、シンセ類で円陣が組まれてて異様なムードが既に出てる。入念なサウンドチェックで焦らされ、15分ほど遅れてスタート。
もう何と言うか、壮絶でした。ドラマー3人が一斉にトライバルな超高速トランスをドカドカかます中で、 EYE はギターオブジェを長い棒でギャーンと打ち鳴らしたり、原始人のように暴れ回って雄叫び (奇声) を上げたり。そしてスクリーンには太陽や宇宙を象徴するようなライトがビカビカ光る。とにかく音に漲るパワーが半端無く、まるでビッグバンが起きて (急) 太陽が出来て (緩) 、それが膨張してまたビッグバンが起きて (急) …を繰り返してるような演奏で、その果てしないスケール感に完全に圧倒されました。最初はただただ呆然としてたんですが、カオティックに無茶苦茶やってるようでいて実は緻密な構築の上に成ってるという感覚に気付き、徐々にノリが掴めてくるとそっからはアドレナリンを急速にブチ込まれたように踊る踊る。途中ではグッと速度を落とし、ヨシミがシンセを弾いてグルーヴィなハウスに突入したりと、まるで先が読めないスリリングな展開にもやられた。同じロックでも他のバンドとは表現の形態が根っこから違う。一昨年の The Arcade Fire や去年の Daft Punk の時のような、ワケ分からんけど凄いものを見たという気分にさせてくれました。今回のベストアクト。


The Chemical Brothers @ GREEN STAGE
ボアに夢中になってたら遅刻してしまった。暗い道を早足で抜けて、着いた時にはちょうど 「All Rights Reversed」 が終わり、何が来るかと思ってたら 「Out Of Control」 !続いて 「Star Guitar」 !キター!ここぞとばかりに踊りまくりました。ぶっちゃけこの2曲だけでもう満足です。シュールな映像や派手なレーザーに見とれつつ、いい加減疲れたので帰りのバスに早々と向かったのでした。


こんな感じでオイラのフジロックは終了です。なんぼか反省すべき点も頭に浮かぶので、それらを踏まえて来年はもうちょい上手く楽しもうかなーと。スケジュールさえ合えばね。結構な苦行だったはずなのに、すっかり行く気満々ですやん俺。やっぱりMなのかイタい子なのか。次回もよろしくお願いします。