人間椅子 「真夏の夜の夢」

真夏の夜の夢

真夏の夜の夢

イカ天時代から地道に活動を続ける3人組の14作目。


陰陽座もそうだけど、このバンドも昔から変わりませんね。江戸川乱歩などの影響を前面に打ち出し、アングラで湿っぽい日本文学的世界観に塗れたプログレ/ハードロック。それなりに躍動感ある曲もあるけど基本的にはどっしりもっさり気味のグルーヴで、それが歌詞のアングラさを助長してると思います。特に印象に残ったのを挙げると、人間椅子流ロックンロール賛歌 「転落の楽典」 、情念深さやおどろおどろしさがアルバム中最も際立ち、ラストの展開では良い意味で身の毛がよだつ 「牡丹燈籠」 、これはメッセージソングなのか、手紙の朗読が仰々しい曲調と相まって深く突き刺さってくる (と同時に宗教的な胡散臭さ全開な) 「世界に花束を」 、タイトル通り直球グロテスクな歌詞が素敵すぎる 「膿物語」 、「食っても食っても〜」 のフレーズが妙に頭にこびり付いて困る 「肥満天使」 辺り。一曲一曲が長めでずっと聴いてると胃もたれ起こしそうなんですが、このバンドにしか出せない味は十分に感じられました。暑い中でこんな夢見てたら余計寝れなくなりますね。


Rating: 7.2/10
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