FAR FRANCE 「AHYARANKE」

AHYARANKE

AHYARANKE

西東京出身の4人組による2作目。初めて聴きました。


下北沢オルタナティブマスロック。だけども計算づくの知的さだったりセンスをひけらかすようなこじゃれた印象は無く、本能に忠実なやけっぱちの勢いを重視した感じで、理解するより先にこちらの身体も素直に反応します。ノイズ塗れでジャキジャキと鋭く暴れ回るサウンド、強引に急ブレーキ/急発進を繰り返す無茶な展開、朴訥としつつ素っ頓狂な声で高らかに歌うヴォーカル、またメロディには何処となく昭和歌謡風のヨレた感覚も垣間見えたり。さらに 「過ち」 でのやたらと陽気なリフフレーズや 「しがちな」 の空間を埋め尽くす轟音とレイドバックしたハードロック的グルーヴ、 「呼び声」 の軽快に跳ねるブギ調、そういった突飛なアイディアの数々がヘラヘラ笑いながら包丁振り回す狂気のような様相で矢継ぎ早に繰り出される。その中で楽曲の構築性やまとまりの良さ、あるいは主義/思想といった面よりもあくまでロック的なダイナミズムを優先させてるという点で、個人的には共通点の多い残響レコード勢よりもこのバンドの方が一枚上手だと思う。若さゆえの初期衝動が洗練されないまま乱暴にブチまけられた8曲。確かにフランスには程遠い。


Rating: 8.0/10
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