The Horrors 「Primary Colours」
- アーティスト: Horrors
- 出版社/メーカー: Xl Recordings
- 発売日: 2009/05/05
- メディア: CD
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元々はガレージ/ロックンロールバンドだったようですが、今作を聴く限りではガレージの荒々しさというのはあまり感じず、むしろ奥深く繊細な構築性を持ったサウンドだと思いました。 Bauhaus を筆頭とするゴシック/ポジパン由来のダークネスと、シューゲイザーの影響を強く感じるサイケデリックなギターノイズ、またポストパンク風のザラついた金属音が醸す殺伐とした空気感も混じってたりと、まるで70〜80年代ニューウェーブのダークサイドの縮図みたいな音。プロデュースは Geoff Barrow (Portishead) と Chris Cunningham が担当してるとのことで、 Chris の方はよく分かりませんが Geoff の方は確かに影響を感じる。去年の傑作 「Third」 で渦巻いてた高濃度の瘴気をここにも持ち込んでいて、特に噎せ返るほどの濃霧のようなギター/シンセの重層ノイズには感覚を痺れさせられました。真性気味だった Portishead と比べるとこちらは良くも悪くもシアトリカルな印象を受けるんですが、その混沌とした暗黒ムードが刺激的なのは確かです。不穏な翳りとグラマラスな陶酔がドロドロと入り混じる頽廃的ロックサウンド。