Florence + the Machine 「LUNGS」

Lungs

Lungs

ロンドン出身の5人組によるデビュー作。


インディロックの形態をとりながらもギターの占める割合は少なく、むしろ楽曲毎にピアノやハープ、ストリングスなど様々な楽器がフィーチャーされ、それらが風通しの良い鮮やかさで中心の歌をグッと引き立てる。その中心を務める Florence Welch はミッド寄りの声質で感情豊かに朗々と歌い、その凛とした佇まいはカリスマチックなバンドの華として十分に魅力を放っています。バックのコーラスも力強く厚みのあるクワイア調で勢いを助長したり、その様はある種ミュージカルに通じる勇壮なドラマチシズムが感じられ、ベタと言えばベタですけどもそれ以上に力の入った練り込みっぷりで思わず圧倒されるほどのパワーに満ちてます。アレンジの聴き応えを高めると同時にあくまで窓口は広く構えるというスタンスが好印象。特に 「Rabbit Heart (Raise It Up)」 「Howl」 「Cosmic Love」 辺りは The Arcade Fire にも肉薄するほどスケールの大きな広がりと何処か翳りを帯びた切なさ、それらが交わってひどくポジティブな輝きを放つ佳曲です。デビュー作としては十分手応えのある一打。これから先どういう進化を見せるかも楽しみですね。


Rating: 7.8/10
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