KYOKUTOU GIRL FRIEND 「勝手にしやがれ」


2007年結成の4人組によるデビュー作。


もしかすると 「勝手にしやがれ」 というアルバムタイトルからある程度中身を推測できるかもしれません。シンプルながら刺々しさと性急なスピード感で攻め立てる楽曲は、ヴィジュアルのフィルターを通したパンクといった風情。またメロディには昭和 GS 歌謡に通じるいかがわしい色気、あるいは70年代フォーク風の枯れた哀愁も仄かに感じられ、艶のあるヴォーカルがその匂いを引き立てる。そして歌詞は 「不謹慎なカリスマ」 を自称するように、悪戯にタブーをなぞるダーティな内容。こういった諸要素から一番に連想するのはメリーなんですね。そのメリーが昨年にリリースした 「アンダーワールド」 がパンキッシュな攻撃性を前面に打ち出した内容で、バンドとして一皮剥けたスタイルを提示した傑作だったのですが、それに比べると彼らは少し見劣りしてしまう。と言うか以前のメリーに感じていた不満をそのままこの作品にも感じてしまいました。哀愁メロディ×軽快な勢い×アングラな歌詞、その組み合わせ自体は良いけど聴き手を痺れさせる説得力があるとまではいかない、突き抜けきれないもどかしさと言いますか。まだデビューしたてだしこれからの進化に期待ですかね。


Rating: 5.0/10
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