BOOM BOOM SATELLITES 「TO THE LOVELESS」
TO THE LOVELESS(初回生産限定盤)(DVD付)
- アーティスト: ブンブンサテライツ
- 出版社/メーカー: SMR
- 発売日: 2010/05/26
- メディア: CD
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「ON」 以降続いてる享楽的ダンスロック路線から順当に幅を広げ、ロック的ダイナミズムと音の密度をより一層増してきてます。硬質な響きをパワフルに叩きつけるリズムの強靭さと、粒子の荒いノイズを纏ったブリーピーなシンセ、そして挑発的なハイトーンで扇動する川島道行のヴォーカル。それらが緻密な計算の下にエディットされ、細部まで練り込まれた密度を薄めることなく、スペーシーな拡散を見せる。これぞブンサテと言える最新型ロッキンテクノサウンドで、結成以来の音楽性の変遷/経験を収斂させた集大成、といった印象も受けますね。なのだけど、やはりその計算しつくされた緻密さというのが頭でっかちな堅苦しさに転じ、アグレッシブなビートの即効性を削いでしまっている気もします。抽象的だけど 「余白がない」 と言うか、音の詰め方がクソ真面目すぎる。ブンサテって基本的に踊らせる、楽しませるというより 「圧倒する」 というタイプの音ですよね。シリアスに、ストイックに迫る音の奔流の中で身体がすくんでしまう感じ。見方を変えればいいのかもしれないけど、やはり個人的にはまだ何処か割り切れない感覚を覚えてしまうのでした。
