フジファブリック 「MUSIC」

MUSIC

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ヴォーカル志村正彦が急逝し、残りの3人+刄田綴色東京事変) により制作された5作目。


これまでのフジファブの作品中、最もライトで素直なアルバム。おそらく志村正彦が向かおうとしていた音楽性と、軸を失ったバンドの状況によってそうなったのかと思いますが、これまでのひとつ捏ねたギミックはほとんどなく、前作 「CHRONICLE」 で見せた骨太なギターロック要素も抜け、彼らの素の部分が曝け出た実にストレートなポップスが並んでます。良くも悪くも腹八分目のボリューム/密度で、悪く言えばお蔵入りテイクを何とかして聴かせられるように仕立てて寄せ集めた感じ。 hide でいう 「Ja,Zoo」 みたいなもんです (もうこの例え通じないか) 。しかし歌詞は、とても良い。本当に志村氏の個人的な日記のような、 「君と僕」 が感じたありのままの心情を綴ったナイーブな内容。人によってはクセや面白味が無くなったと感じるかもしれませんが、単に日和っただけのポジティブソングでは決してなく、他人に裸を見せる時の恥ずかしさや怖さ、あるいは決意のようなものも内包してる気がして、グッと惹き込まれる。ここには10曲入ってるけど、あなたの心境とのクロッシングポイントが何処かにあるはず。総じて納得の内容ではあるけど、これ以降の死亡遊戯は勘弁して下さいね。


Rating: 7.0/10
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