キノコホテル 「マリアンヌの恍惚」

マリアンヌの恍惚

マリアンヌの恍惚

1年2ヶ月ぶりとなるオリジナル2作目。


前作 「マリアンヌの憂鬱」 の時はいまひとつピンとこなかったのですが、今回は彼女らを構成する諸要素が順当にステップアップを遂げ、成長を感じさせる内容となっています。昭和 GS 歌謡をベースとしたレトロな味はそのままに、ガレージロック的なバンドの勢いが増した感触があり、その一方で軽快にサーフする洒脱さも上手く消化して、より洗練された印象も受ける。冒頭 「キノコホテル唱歌II」 から立て続けにポンポン飛び出すアップテンポ曲は痛快な刺激を伝え、夕陽が滲む寂寥を湛えたような 「風景」 、仄暗い誘惑の闇へと手招く表題曲 「マリアンヌの恍惚」 といった長尺サイケナンバーはバンドの懐の深さを感じさせます。特に 「マリアンヌの恍惚」 。ディープな音響処理とジャジーな装飾、ジャムセッション的な展開でグルグルとマーブル模様を描いて溶け合うような妖しさ。これはある種のプログレと言っても良いような気がする。そんでプログレ昭和歌謡の融合と言われれば連想されるのはフジファブリックの 1st なのですよ。あら意外な共通点。ルックス含め強固な枠を自ら築く彼女らが、その枠をどこまで押し広げられるか (あるいは破壊するか) 。ちょっと楽しみになってきました。


Rating: 7.4/10
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