MONO 「The Last Dawn」 「Rays of Darkness」

The Last Dawn

The Last Dawn

2年2ヶ月ぶりとなる7作目。


2作同時発売のうちのひとつであり、2枚は大雑把に言えば 「光」 と 「闇」 といったイメージで振り分けられているのですが、こちらの 「光」 は深い闇を潜り抜けてのぼんやりとした朝焼けの光。随所でストリングスの助力を受けながら、深い悲愴感を湛えたフレーズをストイックに反復し、やがて轟音の洪水へと至る。広大な雪原を想起させる、険しい緊張感に貫かれたサウンド。そこから終盤 「Where We Begin」 からは徐々に霧が晴れ、救いのように暖かな光が差し込んでくる、という流れ。もうはっきり言って MONO としての新しい試みなど何もないし、ポストロック以外の言葉で括るのがむしろ困難といったレベルの定型サウンド。もちろん自分のやれること、信じた道のみを突き進む姿勢であったり、心血を注ぐ勢いのエモーショナルな真摯さは痛いほどよく伝わります。しかしあまりにも内向きで外を見なさすぎだし、 「Katana」 「Cyclone」 あたりのギターやピアノによる感傷的なフレーズは、いかにもお涙頂戴といった具合でいささかチープにも感じられてしまう。正直俺には過去曲との区別がつきませんでした。

Rating: 5.0/10



MONO - Cyclone by MONO (Japan) - Hear the world’s sounds




Rays of Darkness

Rays of Darkness

上記作と同時発売された8作目。


こちらが 「闇」 サイドとなるわけですが、基本的な手法は今までと変わりありません。冒頭 「Recoil, Ignite」 はやはり物悲しいアルペジオからトレモロ轟音へと移行するというザ・ポストロックなスタイルですが、轟音の爆発っぷりにかけてはこちらの方が一段上。濁流のようなディストーション・サウンドが牙を剥き、この世の一切を洗い流してしまうかのよう。また大らかなハードロック的ダイナミズムも感じる 「Surrender」 、 Tetsuya Fukagawa (envy) の絶叫が加わって壮絶さに拍車がかかった 「The Hand That Holds the Truth」 、狂気的なドローンノイズが無慈悲なこの世の終末を描く 「The Last Rays」 の4曲。特にラストの凄まじさ、救いの無さには思わず背筋が凍る。こうやってヴォーカルを迎える、音の質感を変えるといった少しばかりの工夫でも随分と聴こえ方が変わってくるのだから、 MONO の世界観にはまだまだ拡張の余地があるわけで、にも拘らずそれを頑なに自らスポイルしているところがあるのは勿体ないよなあと。わずか4曲ながら、コンセプチュアルな構成がより一層活かされた内容だと思います。

Rating: 6.4/10



MONO - Recoil, Ignite (Excerpt) by MONO (Japan) - Hear the world’s sounds