それでも世界が続くなら 「明日は君に会いに行くから」

明日は君に会いに行くから

明日は君に会いに行くから

千葉出身の4人組による、ミニアルバムとしては初の作品。


敢えて反論を恐れずに言うならば、俺が初めて THE NOVEMBERS を聴いた時の印象は 「歌と演奏の上手い ART-SCHOOL」 でした。さらに反論を恐れずに言うならば、このバンドは 「歌と演奏の上手い Syrup16g」 かもしれません。グランジ/オルタナ/シューゲイザーといった 90's ロックからの影響が見られるバンドサウンドは、オーソドックスながら熟達した安定感があり、聴き応えある厚みを持って歌の世界観を引き立てています。 「知らない誰かの会話が 脳から離れなくなって」 「死にたい 消えたい が先月の流行り」 もはや泣きながら笑うしかない抑鬱まっしぐらのセンテンスだらけ。昨年のフルレンスも大概なものでしたがここまで拗らせているとは思わなかった。このウジウジした自己憐憫っぷりに対してもはや聴いていられないと嫌悪感を示す人も当然いるでしょう。ただ自分はどちらかと言うと弱い人間なもので、聴いている間は瘡蓋をチリチリと剥がされるように心の影の部分を暴かれているような気がして、どうしてもその歌/メッセージに惹きつけられてしまう。あんまり聴きすぎると身体に毒なので用法用量は守りましょうね。

Rating: 7.5/10