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森川誠一郎 「空蝉 utsu semi」

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空蝉 utsu semi

空蝉 utsu semi

Z.O.A. / 血と雫のヴォーカリストによる、2002年に発表した初ソロ作のリイシュー盤。


情報によると Atsuo (Boris) が新たなサウンドプロデュースということで再編の手を加えているらしいですが、原盤を未聴なのでその辺は違いが分からず申し訳ない。ただ彼のキャリアを知っている人からすれば、今作が (現代の感覚においても) 異形の個性を存分に発揮しているのは容易に想像がつくはずです。再生した瞬間に鋭く切り込む野蛮なホーンの響き、強靭な筋肉を柔らかくしならせるようにして鳴らされる辣腕揃いのアンサンブル。一言で言えばプログレッシブ・ジャズロック (時にインプロ・ノイズ・コラージュ) ですが、全編に研ぎ澄まされた緊張感、キナ臭さが立ち込める一触即発のムードはひどく刺激的。そして森川誠一郎のヴォーカルは完全にメロディが排除され、七五調の古文詩を諭すような力強さをもって囁き、時には呻きのような声を上げて感情を高ぶらせる。その様はもはや灰野敬二の領域まで達した孤高の存在感。それらを統合した時に、威厳や重圧感のようなものと同時に現れる繊細な美しさは、これも彼独自の持ち味でしょう。わずか34分とは思えないほどの濃密な質量、劇的なカタルシスが詰め込まれた6篇の組曲

Rating: 8.5/10