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Passion Pit 「Kindred」

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Kindred

Kindred

2年9ヶ月ぶりとなる3作目。


いつの間にやらバンマス Michael Angelakos のソロユニット状態になっていたようで、ロックバンド感は一層薄くなり、彼個人の私小説としての側面が強くなっています。ノスタルジーへと想いを馳せながら、自らの存在位置を確かめるように高らかな声を上げるシンセポップ。例えば M83 が表現していた80年代フレイヴァーのノスタルジックな感傷、そこに EDM の刹那的な狂騒、あるいは R&B の洒脱なメロウ感を注入した、現代のポップスの理想郷とも言えるひとつの形。特筆すべきはオープナー 「Lifted Up (1985)」 ですね。聴き手を高らかに鼓舞するビートに乗せて歌われるのは、記憶と幻想が交錯するなんともロマンチックな情景描写。 「空が割れ、君は天国から落ちてきた」 「嘘じゃない、君がここに来ることをきっと知っていた」 示唆に富みながら、もはや清々しさすら感じるほど全力でナイーブ。暖かな包容力、高揚感を見せながらも、常に心の影をチクリと刺す憂いのエッセンスが絶妙に心地良い。しかし各曲の粒立ちの良さと美しいトータリティを見せていた前作と比べると、流れがやや単調で振り幅の限界が見える気がする。この辺はメンバー脱退の影響かしら。

Rating: 7.0/10



Passion Pit - Lifted Up (1985) - YouTube