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downy「無題 (6th)」

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第六作品集『無題』

第六作品集『無題』

約3年ぶりとなる6作目。


これまでの作品と違う試みは随所に現れています。目立つ箇所で言えば、「檸檬」でのコントラバスを用いたジャジーな感触とシンセの装飾。これまでもギターのみでシンセと見紛うようなエフェクティブな音作りを実践してはいましたが、今回は比較的識別しやすい形でシンセのテクスチャーを導入し、よりポストロック/マスロックらしいインテリジェントな構築性をアピールしています。また前作に引き続いて、今まで演奏に紛れて輪郭の不明瞭だったヴォーカルがグッと前に出てきており、「海の静寂」でのブルージーな翳り、熱唱と言えるくらいの力の入り様には改めて驚かされる。そしてリズムセクションの力強さもこれまで通りで、特にドラムンベースとスカを人力で魔合体させたような「色彩は夜に降る」、サイケデリックな混沌へと高速で突入していく「乱反射」などは思わず息を飲む。ただ今までが強烈すぎたというのもありますが、全体的には downy にとっての新たな発見という意味ではいささか弱い。彼らの作品で初めて、変化することに対して良くも悪くも慎重、堅実な印象を受けたのですね。もちろん他と比べれば圧倒的にハイレベルではあるのですが。

Rating: 7.2/10



downy - 凍る花